勤務体系が安定しており働きやすいと言われる皮膚科ですが、決して誰でも簡単に務まるような楽な仕事ではありません。皮膚科で働く上でまず直面する大きな壁は、取り扱う薬や専門的な治療器具の圧倒的な多さです。皮膚科では内服薬だけでなく、多種多様な軟膏やクリーム、ローションなどの外用薬を使用します。特にステロイド剤などは強さによって細かくランク分けされており、症状や塗る部位によって薬の種類や組み合わせ、細かい用法や用量が厳密に異なります。これらを正確に覚え、患者さんに分かりやすく指導できるようになるまでには大変な苦労を伴います。赤ちゃんから高齢者まで幅広い年齢層の患者さんが訪れるため、アレルギーや水虫、いぼ、アトピーなど取り扱う症状の種類が極めて多く、求められる知識量は想像以上に膨大です。
また、別の診療科から転職してきた看護師にとって戸惑いやすいのが、過去の病棟経験が活かしにくいという点です。皮膚科は皮膚に関する治療やトラブルの解消に特化しているため、重症患者に対する点滴管理や急変時の対応といったこれまでの高度な医療スキルを発揮する場面が少なくなります。特殊な光線治療器の使い方や、皮膚科ならではの処置方法を一から学び直す必要があるため、最初は覚えることの多さに圧倒されてしまうかもしれません。さらに、処置の際には中腰になるなど不自然な姿勢が続くことも多く、意外と体力を使う仕事でもあります。命に関わる症状がないからといって安易に考えず、これらの大変さをしっかりと理解しておくことが大切です。